前編では研究室を絞り込むこと、研究室見学の大切さについて紹介しました。
後編では残りの出願、入試対策、入試当日の三つのプロセスについて紹介します。
出願
研究室を決定したら、ついに出願です。
出願とは『願い出ること。願書を出すこと。官公庁などに認可を願い出ること。また、その願い。(コトバンクより)』
すなわち、私はこの研究室に入りたい!と宣言する書類を提出することです!
出願を完了するまでには大きく
- 必要書類を集める
- 必要書類を作成する
- 提出する
の三つのプロセスがあります。
この三つについて紹介したいと思います。
1.必要書類を集める
まず出願のために必要書類を集める必要があります。
大学院から出願のために求められる主な書類は以下の通りです
・願書
間違いなく必要です。
郵送で届けてもらえる大学院もあれば、大学まで直接受け取りに行かなければならない大学院もあります。
・出身大学の証明書類
成績証明書や卒業(見込み)証明書が必要な場合があります。
大学によっては発行までに時間がかかることもあるため早めの取得を心がけましょう
・英語の成績の提出
TOEICや TOEFLなどの一般に実施されている英語のテストのスコアシートの提出を求められる場合があります。
出願後に発行できるようになるよ!という場合でも後日提出が認められる場合があります。
・そのほかの書類
住民票の提出や、受験料の納付書の提出などを求められます。
提出に必要な書類は募集要項に必ず書かれています。
出願前日に『あの書類足りない・・・』とならないように良く読んで早めに準備しましょう!
2.必要書類を作成する
基本的に高校入試や大学入試と同様です。
しかし、大学院入試特有の項目がいくつかあります。
本校ではこの項目について紹介したいと思います。
・大学院入試特有の項目①:希望する研究テーマ
『え、まだ研究室も入れてないのに研究テーマ書かなきゃいけないの?』
『なんもわからないよ!!』
なんの準備もなしに取りかかろうとするとおそらくこうなってしまいます。
内容は面接でも問われると思うので、変なことを書くと低評価に繋がる可能性も…
そこで、私のオススメの書き方を紹介します!
- 研究室見学の時先生がお話ししてくれた内容を研究テーマとする
- 先行研究を調査し、その内容の予備知識をつける
- 先行研究とともに研究テーマとしてまとめる
先生が新入生に任せたい!とお話ししてくれた研究はおそらくその業界ではホットな話題の一つだと思います。
そのためその内容を書くことで間違いはないと思います。
しかし、その内容を知らないと質問された時困ってしまいます。
そこで先行研究を調査することで予備知識が身につき、また、本当にこの研究が主体的にしたいんだなとアピールすることができます。
これらをまとめることで良い研究テーマが完成するのではないかと思います。
また、本当の希望する研究テーマと実際に実施する研究がずれてしまうのでは…とお考えのあなた!
大丈夫です。入学してから改めて希望する研究テーマを伝えれば、可能な範囲で実施することができます。
もちろん、すでにやりたい研究が明確あり、それを実施したいという強い意志がある方はそのテーマについて書けば大丈夫です。
しかし、漠然とこの研究したいけど詳細はよくわからない。そんな人も多いと思います。
そのような人は先生が言っていた内容を仮の希望する研究テーマとして置くと比較的書きやすいのではないかと思います。
・大学院入試特有の項目②:受験科目
大学院入試では多くの場合、いくつかの科目から選択して受験します。
その選択を出願の段階で迫られる場合があります。
この選択方法としては後に紹介する入試対策に通ずるところもありますが、過去問を見て
『これまで自分が専攻していて解きやすい科目!』
『今後、研究する領域に近いから知識を身に付けたい科目!』
『先輩が点数を取れやすい!と教えてくれた科目!』
を中心に選択すると良いと思います。
提出
いよいよ書類が揃ったら提出です。
直接大学に伺い、提出することが多いですが、近年のパンデミックによってオンライン出願を実施している大学院もあります。
ギリギリにならずに提出開始日には書類を揃っている状態にし、早めに提出できるようにしましょう!
入試対策
次に入試対策を紹介したいと思います。
大学院入試で実施される科目は主に英語と専門科目です。
大学院によっては小論文や一般教養などの科目を課するところもありますが、この二つを抑えることが最重要ではないかと思います。
今回は英語と専門科目についての対策を紹介したいと思います。
・英語
英語は大学院入試において最優先してやるべき科目です!
大学院では国際学会や文献調査などで当たり前のように英語を使用するため、それらを遂行するための能力があるのかどうかを推し量るために入試において英語が特に重要視されていると考えられます。
そのため、大学院入試をすると決意した段階から英語の勉強を始めるようにした方が良いです。
具体的には大学入試で行うような対策のほか、長文は論文から出題されることが多いため、論文を読むことに慣れておくと良いと思います。
加えて、先ほど述べた通りTOEICやTOEFLなどの一般に実施されている英語の試験のスコアシートの提出を求められる場合があります。
その扱いは大学院によって異なり、当日の試験に加点されることもあれば、そのスコアで足切りをされることも…
これらの試験は受験できる日が限られており、加えて、スコアシートが届くまでに時間がかかります。
そのため、提出が必要だとわかったらその受験も計画的に実施できるようにしましょう。
専門科目
多くの大学院では専門科目が課されます。
しかし、その対策は独学で行うのは非常に難しいと思います。
しかし、きちんと対策すれば必ず高得点を取ることができます。
そこで、私が実際にどう専門科目を攻略したのかについて紹介したいと思います。
① 過去問を見る
何よりもまずすべきは過去問を見ることです。
過去問を見ることでどんな問題が出るのかを把握することができ、無駄な勉強をしてしまうことを防ぐことができます。
過去問の入手方法は場所によって異なり、教務にメールしてもらう場合やHPからダウンロードする場合、学校に直接買いにいく場合など様々です。
過去問を入手しその専門科目は具体的にどんな問題が出題され、それを解くためにはどんな本でどのように勉強すれば良いのか
その計画を立てることが卒論などがあり忙しい大学生活の中、効率の良い院試対策をする上で先決だと思います。
②研究室の先輩に聞く
過去問を見ることと並行して行いたいのが研究室の先輩への聞き込みです。
研究室の先輩はすなわちその入試に勝利した先輩です。
その先行知見を生かさない理由がありません。
前編で述べた研究室見学の際や、入手した先輩の連絡先から具体的にどんな対策をしましたかと聞き込みしましょう!
優しい先輩であれば具体的に使用した教科書やその利用方法、さらには過去問の答えまで教えてくれると思います。
③計画通りに勉強する
最後はどの入試も変わりません。
計画通りに勉強あるのみです!
大学院入試では論述形式で答えさせられることが多いため、その用語や原理を人に説明できるようになることを意識して勉強した方が良いと思います。
また、その科目の一般的な教養を高校の教科書などで抑えておくともしヤマが外れても大事故にならないためオススメです!
私はこのようにして大学院入試の対策をしてきました。
なにより大事なのは正しく情報を集め、そこから効率の良い勉強をしていくことだと思います。
これから受験する皆さまも使えるものは使って泥臭く情報を集め、最短距離で合格をつかむことができるように頑張りましょう!
入試当日
最後に私が経験したコロナ禍でのオンライン入試について紹介したいと思います。
私の研究科も次の年から対面での試験に切り替わっており、今後あるかわかりませんが、その経験を残しておきます。
・接続テスト
入試当日の前に接続テストを行いました。
入試当日の通信障害が絶対ないようにかなり厳しい基準で通信速度などを見ていたように思えます。
実際自分も通信があまりよくないと言われ、最終的には有線などを活用して通信速度を可能な限り最速にして入試に挑みました。
直前にそのような状況になると少し焦ったり不安になったりしてしまうので、早めに対策を練っておくと安心だと思います。
・入試までの流れ
口頭試験となるので頭の回転は筆記試験より重要だと感じました。
そのため当たり前ですが前日はぐっすりと眠り、しっかり朝ごはんを食べることをお勧めします!
入試開始時間は受験生に応じて異なっており、あらかじめそのタイムテーブルがメールなどを通じて送られてきます。
なんども確認し、絶対に間違えないようにしましょう。
入試開始時間に近づいたらいよいよそのミーティングルームに入室します。
はじめは待機室に入室し、その後突然画面が切り替わって試験が始まりました。
当時、かなりびっくりして一気に緊張してしまいました(その結果100%の力を出すことができなかったのは苦い思い出です)。
そのため心の準備は待機室の段階で済ませておくと良いと思います!
・入試①専門科目
基本的には大門が二つでその小問は問題を重ねるごとにだんだん難易度が上がっていく形式でした。
簡単な問題でも口頭試験であると一瞬頭が真っ白になってしまいます。
また、解答用紙がないことでどれくらいの内容を話せば良いのかが把握することが難しかったです。
しかし、解答時間には余裕があったので一呼吸置いてから解答することをお勧めします。
自分自身は筆記試験を解ければ口頭も対応できるべ!と思って試験に挑みましたが、思いの外口頭試験は筆記試験と異なる部分があり、非常に難しいなと感じました。
そのため、もし友人に大学院入試をする人がいれば、お互い口頭試験の練習をしておくと安心だと思います。
・入試②面接
自分が問われた内容は
- 学部時代の卒業研究はなにか
- 修士で希望する研究テーマはなにか
この二点が中心でした。
他の大学院でも大きく変わらないのかなとは思います。
そのため、これら二つの説明はスラスラと話すことができるようたくさん練習した方が良いと思います。
しかし、場合によっては英語での説明を求められたり、英語で質疑が行われたりします。
そのため、上記の二点について英語で説明できるように練習しておくことをお勧めします。
私はこの対策としてオンライン英会話を活用していました!
まず、オンライン英会話の先生に英語で研究内容を説明します。
それについて質問を先生からしてもらう形式で対策を行いました。
他の国の人の考え方や海外版の学会発表における質問対策のサイトなどを教えていただいたりしてすごく参考になったのを覚えています。
とにかく私はこんなことをやっていてこの研究室ではこんなことをしたいんだ!そんな熱意を相手に伝えることができれば面接は乗り切れると思います!
・合格発表
当日に結果が出る場合や郵便で送られてくる場合があります。
そわそわしますが、自分のやってきたことに自信を持って堂々と待ちましょう
そして合格したら一杯のビールとともに祝杯をあげましょう!
おわりに
今回は自分自身の大学院入試の経験から合格するためのプロセスについて紹介しました。
自分は生物系の大学院に進学しており、他専攻では同様の手順で合格を勝ち取れるかどうかは申し訳ないですが正直わかりません。
しかし、一つ共通していることとしては研究室の選択や入試の情報の入手を正しく行うことが重要であることだと思います。
本記事が皆様の大学院合格の一翼を担うことができ、皆様が希望の大学院に進学することができることを心から願っております。
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